李舜臣
久しぶりに―ほんとに久しぶりに、ブログを書いてます。
なんか2、3ヶ月入院していて退院してきた人間が、体をならすために軽い運動を始めたみたいな感じ。
ボチボチあわてずにいきます。
北朝鮮の拉致被害者の蓮池薫さんが韓国の小説を翻訳して出してます。
金薫著「孤将」(新潮社)という本です。
(蓮池さんは朴美景著「走れヒョンジン!」という、映画「マラソン」のベースとなった本もそのあと翻訳しています。本格的に翻訳家になるのかしら。)
「孤将」は、16世紀終わりに豊臣秀吉が配下の大名たちの軍勢を朝鮮半島に送り込んだ「文禄・慶長の役」(韓国・北朝鮮では「壬辰倭乱」といいます)の際、海上で、押し寄せる日本軍をせき止めた朝鮮の提督「李舜臣」を描いています。
日本の艦隊は、彼の率いる亀甲船艦隊(といっても日本軍に比べると数の上で圧倒的に不利だったのですが)に翻弄され続け、先に朝鮮半島に上陸していた軍隊への軍勢補給がままなりませんでした。
その本を読んだわけではありません。新聞雑誌の書評を読んだだけです。いちど本屋で手にとったことがありますが、パッと開いたとき、上陸してきた日本軍に朝鮮の大衆が犯されたり殺されたりする描写が目に飛び込んできて、他のページを繰ることなく棚にもどしてしまいました。
この本に書かれているような当時の日本軍の残虐行為があったのか、なかったのか。
かの地の陶工たちを「手土産」代わりに多数日本へ「拉致」して連れ帰るようなことを平気でやっているところから判断すると、日本軍による残虐行為が皆無だったとは到底思えない。しかし私が不勉強で、当時の日本軍の残虐度の「程度」がよくわかりません。
風聞や、後世に付け加えられた脚色を除いて、当時の日本と朝鮮とで記された信憑性の高い記録が見てみたい。
それはそれとして、「李舜臣」という人物は、かなり以前から私の大好きな朝鮮人です。
韓国内各地に、鎧兜に身をかため「日本よ、来るなら来い」と日本の方角を見据える李舜臣の銅像がありますが、まさに彼は朝鮮半島の歴史の中でコリアンが胸を張って世界に誇れる「英雄」だろうと思っています。
海将としての戦闘能力はもちろんですが、「私」よりも「公」を優先させる点、やっつけられた日本人にも好まれる性格です。
日露戦争時、ロシアのバルチック艦隊を迎え撃つにあたって、東郷平八郎が海戦の天才・李舜臣を祀った社に必勝の願を掛けたとか、近代日本海軍は李舜臣の海戦での戦術をテキストとして教えていたといったエピソードが残されているようです。
秀吉の時代には彼にえらいめにあわされた日本ですが、その能力と心根の清さは公正に評価しており、日本国内には李舜臣ファンがそうとう多いようです。
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