「金ちゃんヌ−ドル」

 つれづれなるままにインタ-ネットを眺めていたら、テレビのバラエティ番組「トリビアの泉」のファン・サイトで興味を引く記事に出くわしました。
 このサイト(「トリビアの泉で沐浴」http://www.oride.net/trivia/index.htm)では番組に登場した過去のトリビアの一覧を掲載しているのですが、その中の「トリビアの種」の一つに「中国の宮廷料理人が一番美味しいと思うカップラ−メンは『日清カップヌ−ドルシ−フ−ド』」というのがありました。昨年の後半に放送されたもののようですが、私はテレビでは見ていませんでした。
 昨年上半期の売れ筋カップ麺20種類を中国の超一級料理人3人に試食してもらい、美味しいと思うもの5種類を選び出す。その5種類でもう一度決選投票をおこなって第1位を決める。そうやって中国の超一級料理人に「最も美味しい」と折り紙を付けられたカップ麺が『日清カップヌ−ドルシ−フ−ド』だったというものです。
 で、この紹介記事には、最初に選ばれた20種類のカップ麺と、そのうち上位5種類に選ばれたカップ麺の名前が列記されているのですが、な、な、なんと、その中に徳島製粉の「金ちゃんヌ−ドル」の名前が入っているじゃ、あ−りませんか。しかも上位5銘柄まで勝ち進んでいる。
 私はこれまでに「金ちゃんヌ−ドル」を食べたことがあったかな?それともなかったかな?食べていたにしても記憶にないくらい回数は少ないはずで、そんなだから当然味などわからない。
 「金ちゃんヌ−ドル」って、そんなに美味かったのか。それよりもだいたい、私は徳島製粉の即席めん関係の商品はどれも広くても四国地区ぐらいでしか販売されていない地域限定商品と思い込んでいました。
 手元にある日本経済新聞社発行の「市場占有率2005年版」を見ると、即席めんの全国販売額シェアは、トップが日清食品の41.0%、あと東洋水産(マルちゃん)17.7%、サンヨ−食品(サッポロ一番)14.0%、明星食品9.8%、エ−スコック6.1%と続き、この上位5社で9割を占めています。残りの即席めん製造メ−カ−全てあわせて1割のシェアで、つまりはこの業界は上位5社が9割のシェアを占める寡占業界なのです。
 パイオニア日清食品がトップを走り、残りの大手4社が必死に後を追う。ここ30年この構図に変化はありません。
 サイトに書かれていた文によると、最初の20品目は世に流通しているおよそ620種類のカップ麺から選ばれたそうですが(袋麺は除外してカップ麺だけでそんなにあるのか!)、20品目のうち上位5社の商品が19品目を占めています。唯一、徳島製粉の「金ちゃんヌ−ドル」だけがその中に食い込んでいるのです。
 日清食品が最初の即席めん「チキンラ−メン」を出したのが昭和33年(1958年)でしたか、考えてみると徳島製粉はその数年後には袋入り即席めんを早くも発売していました。名前は「ナミキンツルラ−メン」。
 当時小学校低学年だった私は、「チキンラ−メン」もよく食べましたが「ナミキンツルラ−メン」もよく食べていたものです。思い出すなあ、冬、練炭火鉢になべをかけてラ−メンを作っていたこと…。
 徳島製粉の会社は私の通っていた高校のすぐ近所にあって、その敷地内に創業者の大きな銅像が建っていました。創業者がまだ生きているうちから大きな銅像を立てるというのが、なんとも田舎っぽくて趣味が悪くっていい感じではなかった。
 そんなこともあってか徳島製粉のラ−メンというと、どうしても田舎の二流メ−カ−のラ−メンという印象があって、大人になってからは地元徳島に住んでいてもあまり食べなくなっていたのですが、今回この記事を読んで「金ちゃんヌ−ドル」を食べてみたくなりました。
 それよりも、いったい「金ちゃんヌ−ドル」は日本のどの辺まで販売されているか知りたいので、徳島から隔たった地域の方で「うちのほうでも『金ちゃんヌ−ドル』は売られてるよ」という情報があればぜひ教えてください。
 ちなみにサイトに記されていた上位5品目は、日清カップヌ−ドル、金ちゃんヌ−ドル、マルちゃん麺づくり合わせみそ、日清ラ王しょうゆ、日清カップヌ−ドルシ−フ−ドでした。
 早速ラ−メン買ってこようかな。