司馬遼太郎著「古寺炎上」

きょうはすでに4時間ほどネット上の松本清張司馬遼太郎のペ-ジを覗きまくっています。
きのうの日記で松本清張司馬遼太郎の名を挙げたら、無性に、二人のどんなことがネット上で書かれているのか見てみたくなったのです。
気がつけば、すでに7日の午前4時。10月6日分の日記の締め切りまであと2時間。睡眠も取らなければいけないし、今まではこんな状況に追い込まれたら、
「何も毎日付けなきゃいけない日記というわけでもなし、どうしても書こうと思えば、明日、前日の日付で書くことも出来るのだから、きょうはおやすみ、おやすみ」
てな具合でしたが(これまではあらかたこういう事情で日記の空白日が出来ております。多分これからも同じだと思われます)、きょうはササッと軽く書いて床につく事にします。
いちばん驚いたのは司馬遼太郎さん関係のペ-ジで見たのですが、「古寺炎上」という角川書店から出た新書版の小説集がネットのオ-クションで5万円を超える値がついたということ。
実はこの本、私の手元にも一冊あるんです。
司馬さん自身、この本のあとがきで、「みんな書いてるので(当時大流行だった社会派推理小説のこと)、自分でも書けるだろうと簡単に考えたのが大きな間違いだった。こんな小説を書いてしまって恥ずかしい。これからはまた歴史小説だけ書くようにする」という意味のことを書いており、これまでこの小説は(「古寺炎上」と「豚と薔薇」の二編)、全集にも文庫にも収録されたことはなく、おそらくこれからも再版の可能性は薄いとは思います。
しかし、5万円とは驚いた。
数年前まで、司馬さんの小説群の中に、「城をとる話」、「大盗禅師」、「古寺炎上」と、いったんは単行本になりながら全集にも文庫にも収録されていない中長編が三作あったのです。
カッパ・ノヴェルズの「城をとる話」、ポケット文春の「大盗禅師」、そしてこの「古寺炎上」と三冊とも持っていることが、長いあいだ、私の司馬遼太郎ファンとしての密かな自慢でした。
そのうち「城をとる話」と「大盗禅師」が相次いで文庫化され、残された秘境は「古寺炎上」だけになってしまいました。
オ−クションで5万円の値がついたのなら、ためしにわが店http://grappa-b.comに7〜8万円の値をつけて置いてみようかと思ったり、それでも、もしも売れてしまったら、もう一生この本を手にすることは出来ないだろうなと考え直したり、まだまだ古本屋としての修行の足りない店主であります。