さぬきうどん①

讃岐うどんに関する本を店http://grappa-b.comの棚に並べました。
「うまひゃひゃ さぬきうどん」asin:4334781616
恐るべきさぬきうどんasin:4101059217 asin:4101059225
の二つです。迷ったあげく「笑える本」のコ-ナ-に置きました。思いっきり笑えること請け合いの本なのでそうしたのですが、この二つの本の本当の価値は讃岐うどんの啓蒙にあると思っています。
本そのものは出版されて数年のものなので、なにも古本を買わなくても、新刊本でも簡単に手に入るものです。どころか「うまひゃひゃ さぬきうどん」のほうは、もともと著者のさとなおさんの運営するホ−ムペ−ジ「さとなおの極私的おいしいペ−ジ」に1997年に連載されたもので、その内容は今でも彼のホ-ムペ-ジ(現在は「WWW.さとなお.COM」と名を変えています)で閲覧できるので(原題「さぬきうどんをCHAIN EATING!」)http://www.satonao.com/special/sanuki/sanuki1.html、本を買わなくてもその内容を全文立ち読みすることが出来ます。
そんな、わが店で買ってもらえそうにない本を店の棚に置いたのは、ひとえに讃岐うどんのうまさをひとりでも多くの人に伝えたくてのことです。
「讃岐」は店主の住む阿波の国の隣国です。その讃岐の国香川県のうどんが腰が強くてうまいことは店主などは古くから知っていましたが、正直その知名度は5〜6年前までは四国の内側だけで通用するものだったように思います。
先日のNHKテレビ「プロジェクトX」では「大阪万博に出店したことで全国にその名が知れ渡った」ように言っていましたが、ちょっと大げさに感じました。せいぜい、一部の通の人たちに「香川にもうまいうどんがある」と認識させたぐらいだったと思う。
話が飛びますが、喜多方ラ−メンはなにも昔から喜多方の名物だったわけではありません。以前は、会津の喜多方には、どこの町にもあるような普通のラ−メン屋が普通に存在しているだけでした。町が、色々考えたうえで、自分たちの土地を全国に売り込むための武器として「ラ-メン」を選んだのです。そして、大事に育てていった。その結果、いまでは喜多方といえば誰しもがラ−メンを思い出すほどの喜多方名物になっています。
翻って香川では、人工的に作られた喜多方名物のラ-メンなどと違い、昔からほんとにうどんがよく食べられていました。いわく「香川では喫茶店のモ−ニングサ−ビスにうどんが出る」とか、いわく「香川のマクドナルドには箸が置いてあってメニュ−に『うどん』が載っている」とか。その真偽のほどは実際に香川県に行って確かめてもらうとして、そんなにまでうどんを愛してやまない香川県人が,そのうどんを自分の県の名物にしてその名を全国に知らしめようという気を、これまであまり持っていなかったように思う。
その結果、最近まで、うどんのうまい土地といえば、東京(江戸)の蕎麦との対比で大阪(上方)というのが普通でした。
そんな讃岐うどんがここ5〜6年で大ブレイクしています。名前は一躍全国区となり、テレビ局が何度も番組上で取り上げ、旅の雑誌がしょっちゅう讃岐うどんの特集を組む。今、うどんのうまい土地を全国の人にアンケ−トで問えば、一番多く名が上がるのは大阪でも秋田の稲庭でも長崎でもなく、讃岐香川ではないでしょうか。
そんな大ブ−ムの火付け役となった二つの著作。それが、さとなお(佐藤尚之)著「うまひゃひゃ さぬきうどん」と麺通団著「恐るべきさぬきうどん」です。つづく。